ひょんなことからお借りすることができたので(スーパーサンクス>某社)早速(いやもう借りてから半月も経っちゃったけど)Mac mini(安い方)で試してみた。CPUはG4の1.25GHz。メモリは512MBに増設済み。OSは最新のTigerではなく10.3のままだ。VirtualPCが使い物になるかどうかは、俺的に「iBookを本当に買っちゃうかどうか」の分岐点。OS乗り換えにおける手持ちソフトウェア資産という壁は厚い訳ですよ。期待半分、不安半分。ドキドキワクワク。
VirtualPCのインストールは普通に簡単&要再起動。再起動後、早速「Windows XP HomeEdition」を入れてみた。お?はえ〜ぞコレ!なんと、OSのインストールが実機と大差ない体感速度で進んでいくではないか。Windows上の「VMware」よりスムーズな印象だ。XPの起動後もまずまずの速度で動いてる。むむー、G4のパワーってそんな大したもんじゃないよなぁ?これでx86をエミュレートして動いているなんてとても思えんな〜。ビビりました。どうなってんだこりゃ〜(^^;
VirtualPC上で動くWindows XPの体感速度はちょうどK6-2 500MHz位という感じで、普通のアプリを使には支障なさそう。XPのシステムプロパティではCPUは「663MHz」の「686プロセッサ(なんだそりゃ)」と認識されており、確かにそんな感じだと納得。G4の場合は、ネイティブの半分が動作クロックの目安のようだ。G5の場合はどうなのかねー?G4には「リトルエンディアンモード*1」があるがG5にはないので、実はG5の方がVirtualPCの性能は悪いんじゃないかと予想しているのだが、G5のマシンがないので試せないのは残念。そのへんはG5のパワーでカバーできるのだろうか?ま、iBookはG4だから俺には当面関係ないけどね。
VirtualPCでエミュレートされるハードウェアは、極々標準的なIntelチップセットのマシンだ。ビデオチップはS3のTrio32/64、サウンドボードはSound Braster 16。この構成なら、古いOSや古いソフトや最新のLinuxデストリビューションも問題なく動くだろう。ゲストOSに「追加機能」をインストールすると、ビデオ/マウス/キーボードのドライバが専用のものに置き換わりパフォーマンスを稼ぐようになっている*2。これは互換性とパフォーマンスを両立する良い構造に思う。
VirtualPCのライバル「VMware」は、ゲストOS用の専用ドライバで動く特殊なデバイスを増やしてパフォーマンスを追求する方向で改良が続いている。そのため互換性がおざなりになりつつあるのだ*3。専用ドライバを入れなければ描画やマンマシンインタフェイスのパフォーマンスはG4上のVirtualPCに劣り、VGA以上の色数と解像度も実現できない。VMwareがサポートしない古いOSや、付属のVMware Toolsが未対応の最新Linuxディストリビューションではお手上げなのだ。VMwareではOSインストール時のパフォーマンスが悪いのも、専用ドライバ前提の設計だからだろう。
もちろん、そのおかげで対応するゲストOSを使う分には既に仮想マシンと思えないレベルのパフォーマンスに到達している。フルスクリーンで使用していればネイティブ環境と見紛うのだからすごい。複数スナップショットやネットワークデバイスの共有などの機能面でも、VMwareが数歩先をいっている。が、古いOSを使いたいとか、βなLinuxディストリビューションを入れるとか、DOSベースのユーティリティを試す等などの用途には、シンプルなハードウェア構成を再現できるVirtual PCのほうが向くだろう。
ま〜、CPUをエミュレーションしないVMwareはWindowsとx86のLinuxにしかないので、公平に比較するならWindows版のVirtualPCも試したいところだ。いずれにしてもMacではVirtualPCを選択するしかないが、とにかくPowerPC上で動くVirtualPCが十分実用になるパフォーマンスを発揮してくれる事が判ったのが嬉しい。真面目にiBook貯金を始めようかなって感じですな(^^;;;