俺#

新潟市でIT業を営むおっさんのブログ。

豪雪による山梨・埼玉・群馬・長野の災害について思うこと

[追記]故郷の旧友の指令によりタイトルに「長野」を追加しました(^^;

雪の降らない地域の大雪はマジヤバい

もともと豪雪地帯を抱える日本においては、1メートル位の雪は大したことない、みたいなイメージがあった気がする。確かに、スタッドレスさえ履けば積雪メートル単位の街に車で行って帰って来る事が普通にできる。しかし、それはその街がそれだけの備えと対処をしているからである。備えのない地域では50センチでも相当ヤバいレベル。

そもそも、雪国では降り始めから降り終わるまで休むことなく除雪してるよね。それに、重機とそれを操るノウハウ、雪を運ぶトラック、雪を溜めるスペース等が全部揃って初めて1つの「除雪システム」として機能する。なので、普段雪が降らない所で常軌を逸した積雪があると、地元の土建屋さんがどんなに頑張ってくれても手におえない。

雪への備えのない地域で正常な状態が保てるのはいいとこ30センチまでだなーと思った。それを超えたら非常事態として物事を考えて対処する必要がある。

片足のカーポートはマジヤバい

当地飯能市(埼玉県)では簡易的な計測で60センチ弱の積雪となった。近所で話を聞く限り、やはり過去に例のない積雪だそうだ。山梨や秩父を見た後では全然大したことないと感じるのが笑える。それでも、ごく近所だけでもかなりの数のカーポートが重みに耐えきれず倒壊してしまった。もちろん車はベッコンベッコン。ちなみに、埼玉県で気象庁による積雪量の観測が行われているのは秩父と熊谷の2か所のみ。それだけ「本来は降らない場所」ということだ。

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↑こんなタイプのカーポートは高確率でグッシャリ。

ウチの車は野ざらしだったので、その点では助かった。だた、物置が見事にペシャンコになった。

↑これと似たもう少し耐久性のあるタイプ。

ま、これは仕方ないですかな。前に住んでた方の置き土産だったので、「雪が降る所じゃこんな物は使えないよな〜」などと思いながらも使っていたのである。この結果は想定内だ。もちろん、当地でこんなに雪が降るってのは完全に想定外だけども。T氏の言葉を借りれば「やっぱりイナバ?」。イナバ欲しいよ!

ツイッターは功罪あってマジヤバい

1メートルという異常積雪を記録した甲州の惨状は、大手マスコミでなかなか報道されなかった。実際、最初に目についたのは「NAVERまとめ」で、「やっぱり1メートルはヤバいんだな」と思った次第。その後はツイッターをメインに状況把握に努めた。まぁ、状況を把握したところで、3.11と同じく何ができるという訳ではないけども。

ツイッターでは、今まさに被災してる人達が写真付きで情報を流してくるんだから、これ以上のニュースソースはない。間違いや誇張も多いだろうけど、ホンモノだって多い。見る者が「これらは個人の流してる有象無象の情報群だ」と正しく認識している限り、ノイズの多少は問題ではないのである。通信は偉い。通信インフラのさらなる耐障害性向上が望まれる。

一方で、「自衛隊マダー?」「官邸なにしてるー?」「首相が天麩羅食ってるー!」(注:全てマイルドに意訳済み)みたいな苛立ちのツイートは物凄く目立った。気持ちは判るが「そりゃ勝手すぎるだろ!」と思う発言も多々。さらに、1日以上前のツイートが延々とリツイートされ、既に派遣されていた自衛隊がまだ派遣されてないと勘違いする人も大勢いたりして。良くも悪くもツイッターだね。

何か起きたらテレビを消さないとマジヤバい

当たり前だけど、自分の目で見て判る変化が起こらないと、それは何も起こっていないのと同じである。自衛隊が除雪しつつ間近まで来ていたとしても、目の前に現れるまでは派遣されてないのと同じだ。食料を積んだセブン・アイのヘリが飛び立っていたとしても、最寄りのセブンに商品が並ぶまでは飛んでいないのと同じだ。苛立ちのツイートからそれは確実に感じ取れた。

そんな時、「自衛隊が派遣され○○に到達しました。」「食料を積んだヘリが飛びました。まず○○に、次に××に向かいます。」というような情報が事前に届けば、それは間違いなく希望になるだろう。役に立つ情報とはそういうものだ。本来であれば、その手の大本営発表(食料は民間企業だけども)を被災地に向けに流すのはマスコミの大切な役割だったはず。

にも拘らず、某局などは五輪三昧で、帯には交通機関の情報ばかり。下手をすると「雪が溶けたら下から死体がゴロゴロ出てきた」という結果もあり得るレベルの災害においてこの始末。テレビや新聞だけを主要情報源としていたら、山梨で災害が発生した事を知らないまま過ぎていた可能性もある。今更だが、テレビがマスメディアとしての機能を失っているのを再確認することになった。

平時の暇つぶしとしてならともかく、何かが発生した場合は「自分が騙されないために」テレビは消した方が身のためだと真面目に思う。

行政の対応が遅くてマジヤバい

政府調査団の山梨への派遣は17日午後、山梨、埼玉、群馬の政府現地災害対策室の設置は18日になってからだった。対応が遅い感が否めない。その原因はやはり

「1メートル位の雪は大したことない、みたいなイメージ」

だろうか。「甲府?1メートル?珍しいところで降ったねー。今日も凄いねー。」と、官邸を含めて皆そういう認識だったのではないか。もっとも、除雪部隊を派遣した新潟県知事だけは、早い段階で「ヤバい!」と思っていたかもしれない。いずれにしても、非豪雪地域における豪雪への対応というのは、国にも自治体にもそのノウハウが皆無に近いと考えて良さそうだ。

18日時点で立ち往生した車両の撤去について法整備の検討が開始されたことは評価して良いと思う。今後同様の災害が発生した場合には、今回の経験からよりスムーズに事が運ぶだろう。しかし、豪雪に限らず「過去に例のない災害」が頻発する昨今では、やはり普段の備えと一定以上の自助努力は必須であろう。過去に例がない=国にも自治体にも自分にも対処のためのノウハウがない、ということなのだ。

蛇足。首相が天麩羅を食べてた件は何が問題なのか全然判らない。むしろ、もっと美味いモノを食して頂いて大いに結構である。中小の社長さんだって美味いモノ食うよ。日本国の社長さんだって、モリモリ贅沢して、ビシバシ働いてくれた方が世の中のためになる!:-)

早く春が来ないとマジヤバい

馴染のある隣の県、隣の市での災害には心が痛む。これ以上被害が広がらないよう祈りたい。