俺#

新潟市でIT業を営むおっさんのブログ。

日産NV350キャラバン(E26)ファーストインプレッション #e26 #nv350 #caravan #nissan

年末ですなぁ。仕事先での最終日、納会と言う名のキックオフ会(ぉい)も無事終わったので、年末年始は普通に仕事させて頂きます(^^;。大学卒業以来の「春休み」確保に向けて、誠心誠意頑張ります(^^;;

さて、一部改良したハイエースシーケンシャルモード付の6ATを奢ってきてちょっとウラヤマシイと思いつつ(ガソリン車だけだけど)、無事に納車されたNV350のレビューでもしときますか。グレードは「プレミアムGX ライダー 2.5Lディーゼルターボ 4WD」であります。

[追記]3000kmほど走った後の感想を書いた。

http://d.hatena.ne.jp/yamagw/20150209/1423453632

各所に当たりが付いて「良い方」に転がっております。

最初に結論

「乗り心地が良い」「静か」だと評判なので、思い切って普段使い用に買ってみたわけだが!快適装備で飾り立てられたカスタム仕様の最上級グレードでも、その本質は「やっぱり商用車」ですな。実際に乗ってみて良く解った。吊るしのまま乗用車として使おうとしたら、相応に我慢を強いられることウケアイ。

内貼りを剥がしたら鉄板むき出しのボディで静かな訳がないし、いくら乗り心地を改善したと言った所で、1トンもの荷物を積んで普通に走れるセッティングでは限界がある。金をかけてる部位も、チューニングの方向性も、乗用車とは根本的に違うという事。当たり前っちゃ当たり前だ。

しかし、気になるのは商用車ならではの割り切りと制約がある部分、具体的には「乗り心地」と「騒音」だけだともいえる。その2つについて「乗用車に適した方向」を向いてコストと手間をかけてやれば、商用車の骨太さと快適装備の数々を併せ持った、素晴らしく心強い相棒になってくれるんじゃなかろうか。

...という現実が、アフターマーケット商品の充実度に現れているのかもね。ショックアブソーバーは選び放題。防音材もグレード別に専用品が揃う。街ですれ違うハイエースやNV350を観察してみると、高い確率でローダウンしてるし、この世界では「手を入れて乗るのが普通」なのかもしれん(^^;

ハコバンとしての機能性

この点については、文句の付けようがない。長年ハコバンに乗ってきたって人は細かい所まで見るんだろうけど、乗用車から乗り換えた素人にしてみるとホントに夢のような車内空間である。これからはホームセンターで軽トラを借りなくて済む。大型犬を何匹も連れて歩ける。出かけた先で気に入った自転車があったら買って持ち帰れる。コストコなんか怖くない(←早速実証済み)。キャンプも着替えも車内泊も楽勝!

従って、以降は乗用車から乗り換えて普段使いにする場合に、気になる部分だけをレビューしていくことにする。

外装

最初に出た言葉は「でけぇな」。エルグランドやセレナが何台も並んだディーラーの駐車場で、飛びぬけた存在感を発揮。高さがあるのはもちろん、オーロラモーヴの色合いもサイズ感に一役買っているかも。数値的にはV36スカイライン比で全長が10cm短く、幅も8cm狭い4ナンバーサイズ。実際、並べて正面から見ればエルグランドより小さく、セレナと同じ幅なのです。見る角度の問題。

シルエットはハイエースとほぼ同じながら、デザインテーマは異なる。後ろから見れば先代の面影を残しつつ、弟分のNV200バネットと共通の要素がちりばめられNVシリーズの国内旗艦モデルである事を主張する。日産車らしいフロントフェイスやサイドのプレスライン、テールランプ等々、小型車という枠の中で頑張ってると思う。キライじゃない。

ボディやリップスポイラーは艶のある塗装なのに、前後バンバーが艶消しなのは商用車ならではの「仕様」なんだろうか。うん、ここは素直に諦めよう。何年も乗り回せば、いずれ何処かでブツけると思うし!

内装

良いねぇ!乗用車から乗り換えても不満なし。もちろん、素材は全面的にプラスティックではあるけど、細部の仕上げに粗は見られず、形状や色使いも上手い。ボリューム感のあるインパネから質実剛健なラゲッジまで、統一感のある良い雰囲気を醸し出しているのだった。日産のクセに(^^;

メーターパネルは非常に良い。メッキの装飾やブルーで統一されたデザインは見栄えがするし、照明はクッキリと明るく昼も夜も視認性の高さはピカイチ。サングラスを装着しても良く見える。フルカラーの情報ディスプレイの鮮やかさも相まって、明確に「V36スカイラインより良い!」と思った部分。

シート

前席は残念ながら期待値を下回った。背もたれの高さが十二分なのは大きな美点だが(身長170cmでもヘッドレストを上げる必要なし)、座り心地は最新の乗用軽カーとどっこいといったところ。幅も少し狭いが、そこは5ナンバー幅で前席3人乗りがある設計なので仕方ないか。ま、先代ミニキャブと比べたら「雲泥の差で良い」けども。

逆に後席シートは期待以上。現行ステップワゴンと比べたら「かなり良い」となる。背もたれの高さが少し心元ないが、可動式ヘッドレストで補える範囲。座面が長く、調整幅も大きく、ホールド性は低いが横方向にも広い。座面はもう少し柔らかいと良いかなぁ...等と細かい注文はあるが、広いのも手伝って総じて快適。

前席も、もうちっと気合い入れて作ってくれんかのぉ。

静粛性

メチャクチャうるさい。加速中に、後方からディーゼル特有の「ギャリギャリギャリギャリ」という金属音が盛大に響き渡る。後方から聞こえるので「マフラーがビビってんのか?」と念の為ディーラーマン氏に同乗してもらったら「この車はこれがフツーですよ」との事。前席周りはそれなりの防音対策がなされていて、結果として後方からエンジンノイズが聞こえてくるそうだ。これでも、

先代キャラバンやハイエースより全然静か

というのが世間での評価なわけでして「いやはや、商用ディーゼルってどんだけウルサイのよ!」という感じ。ある程度ウルサイのは想定してたけど、音質が酷いんだよなぁ。騙されたわー。乗用車基準だとマジでウンコだわー(^^;

しかしながら、アクセル開度が少ない状態での高速巡航は結構静か。音質も、低く唸る類だが圧迫感なく悪くない。風切り音やロードノイズだって、想像していたよりは小さいレベルで収まっていた(スタッドレスにも関わらず!)。街乗り速度の惰性走行ともなれば、「意外なほど静か」という印象となる。

とにかく、ウィークポイントは加速中の「ギャリギャリ」音。最新の乗用クリーンディーゼルをイメージしてると痛い目に遭う。一方、それを省けば前後席で普通に会話できるレベルの静粛性が確保されている。前席のマットを捲ると分厚い防音材が入っているが、ラゲッジに同等以上の対策を施せば、結構静かな車になるんじゃないかな。「ギャリギャリ」音は高周波なので防音効果は高いハズ。

乗り心地

前席の乗り心地は相当悪い。路面の細かい凸凹まで全て拾っちゃうような、ローダウンして足がガチガチのスポーツカーよりマシといったレベル。タイヤの真上に座ってるというハンディを考慮しても、もう少し何とかできないんだろうか...と思った。ハンドリングを犠牲にしてでも、乗り心地に振った方向で改善したい。

ただ、リアがポコポコ跳ねるような安っぽい挙動はない。ここは確かに評判通りで、過去に乗った事のあるキャブオーバーバンと比較したら圧倒的に落ち着いた重厚な乗り味なのは間違いない。なので、後席に乗ると「あれ?結構快適な車じゃん」となる。ここでも後席の良さが浮き彫りに...運転手に優しくねーぞ、この車。

ハンドリング

悪くない。結構ハイペースで思い通りのラインがトレースできちゃう。生意気にも、旋回中にアクセルを踏み増すとインに切り込んでいく。これぞFR!てな感じ。緩めのワインディングは楽しめるレベル。ハイエースは同じような場面で「もう踏むんじゃねぇ!」みたいな手ごたえになるんだから、やっぱ日産だよ日産(^^;

ただまぁ、以前にも書いた通り、ハイエースの味はそれはそれで狙ったものなのだろうという気はしますな。「車は動けばよい」って類の人が仕事で運転するなんて場合は、ハイエースのほうが疲れないだろう。もちろん、多少なりとも運転が好きな人は、間違いなくNV350のほうがストレスなく乗れると思う。

重心が高く前軸がゲロ重いので、荷重移動を意識していかに安定して走るかという部分でドライバーのウデが問われる。車を操っている実感が湧きまくりですなぁ!エンジンが軽いガソリン車のハンドリングはもっと乗用車に近いそうなので、4WDが不要で高速走行が少ない人はガソリン車を選んだら街中を楽しく走れるんじゃないか?

なので、ですよ。ハンドリングはもう少しヘボくなっても我慢できそうなので(惜しいけれども)、やはり乗り心地のほうをなんとかしたいと思うのでありました。

エンジン

走り出しは重さを感じるが、動き出せば速い。30km/h〜80km/hの加速感はV36スカイラインより上。トルクが2.5LのVQエンジンの比ではないからねぇ。過給され始めて「ググー」っと前に出ていくのは、NAのリニアな加速とは違った爽快感がある。高速の合流や追い越しで困ることはまずなかろう。100km/h+αの高速巡航もラクチンだ。急傾斜もグングン登る。

まだ慣らし中なので2500rpmまでで我慢してる状態。それでもこの感想となるので相当パワフルだと思う。最大積載量1000kgを誇る車のパワートレインは伊達じゃない。ま、踏むと正直ウルサイんだけど、やっぱり頑張ってディーゼルを買って良かった!と素直に思う。エンジンの存在感ありまくって楽しいわ〜。

アイドリング振動は、やはりガソリンエンジンと比べたら大きい。エンジンを停止するときには車全体が「ブルルン」と震える。いずれも不快や不満とはならない範囲だが「この車はディーゼルなんだ!」と意識はする。アイドリングストップとか実装するのは無理だろうねぇ。信号待ちの度に「ブルルン」はちょっと(笑)

ちなみに、排気臭は皆無。「始動直後だけはちょっと匂う」なんて事もなく、最早「ディーゼルの黒煙?それってなんの事?」というレベル。これでもクリーン度が低くて5ナンバーには使えないってんだから、現代の排ガス規制はホントに厳しいんですな。おかげでコスト高だけど、そこら辺を気にせずディーゼルを選べるのだから良い時代だ。

トランスミッション

5段のトルコンATは、全域で変速ショック皆無。ロックアップレンジも広く感じる。乗用車では7ATや8ATが普通になってしまったので段数こそミニマムではあるが、ちゃんと「この車は最新式なんだ」と実感させてくれた。

前車V36スカイラインの5ATは、残念ながら1速→2速の変速ショックが残っていたのだ。なので、某クルマ雑誌の「時代遅れのAT」との評に「確かに」とか思った記憶がある(マイナーチェンジで最新の7ATに装換されたけど)。その前に乗ってたA32セフィーロの4ATは言わずもがな。

ブレーキ

よく効く。不安感は全くない。荷物を1トン積んでも止まれるように作ってあるんだから当たり前か。強めに踏む時も制御しやすいし、低速域での繊細なブレーキングも問題なし。踏んだ時のしっかり感はさすがにスカイラインに劣るけど、制動力の出かたはリニア。ハイエースみたいなフニャフニャしたブレーキだったらブレーキパッド変えてみようと思ってたけど、これなら純正のままでいいかな。

燃費

思ったより伸びない。現時点では8〜9km/L位で、カタログ値の11.4km/Lを大きく下回る。高速比率が結構高いのに。いや、スタッドレスだし2500rpm縛りの影響もあるし、まだ最終判断の段階ではないか。巡航速度までサッと加速して惰性走行に移れれば燃費が良いはずなのだが、2500rpmの段階で速度が足らずにだらだら踏み続ける場面が多い。遠慮なく回せるようになれば、もう少し伸びるかと。

小回り性能

4WDの最少回転半径はデカい。カタログ値通り「曲がらねぇ」。4WDは、悪路走破性と引き換えにFRのメリットを享受できないのだ。2WDなら並のFF車と同じ位だが、それでもハイエースを大きく上回る最少回転半径はNV350のウィークポイント。ボディそのものは小さいので、ミドルクラスの乗用車からの乗り換えたなら困らない範囲だけど、もしワイドボディを買ってたらちょっと持て余したと思う。

バックビューカメラ

メーカーOPのナビを付けない場合、バックビューカメラの映像はメーターパネル内の情報ディスプレイに映る。小さいのは我慢するとして、ハンドルを切った状態ではステアリングスポークの陰に隠れて見えないのがヤバい。位置決めからカメラ映像に頼りきりのヒトは(ホントは目視しないと良くない)、メーカーOPナビ仕様で発注しないと困ることになるだろう。

ウチの場合は、この車が初めてのリアビューカメラ付きなのである。なので、自然と「真っ直ぐになった後」に「位置の微調整」と「どこまで下げるかの確認」に使う事になるのではないかな。デメリットもあるけれど、クソ高いメーカーOPナビと排他的にバックビューカメラが付けられる工夫には賛同したい。カメラを付ければリアアンダーミラーが無くなってスッキリだし。

スライドドアオートクロージャ

これは良いね。力任せに閉める必要がないので挟み込み事故の可能性が下がるし、ドアを後ろ側から押し出して閉めることも可能。夜中に開閉しても「ガァァーッドタン!」と大きな音をたてなくて済むのは、住宅街だと大きなメリット。オートクロージャを働かせるために最適な力加減を把握するのに少し経験値が必要だが、弱すぎた時はグッとドアを押してやると動作する。

閉まる動作がノロくてもどかしさしを感じてしまうオートスライドドアより、全然良いと思った。

スピーカー

壊れかけのRadio...というほどは酷くはないが、980円のPCスピーカーの如し。やっぱ一番安いヤツが付いてるんだと思う(^^;

その他の快適装備

キーレスエントリー、プッシュエンジンスターター、オートライトなど、乗用車で一般的な快適装備は一通り完備。この点が、NV350購入決定に大きく影響したのは間違いない。実際、一昔前の商用車のような不便さは全く感じない。V36スカイラインからの乗り換えで欠けた装備は、電動シート、ランバーサポート、ステアリング前後位置調整、助手席側オートウィンドウ、バニティミラー、オートエアコンなど。

エアコンがマニュアルなのは慣れれば問題ないとして、ラゲッジ右側にあるリアヒーターのコントローラーに、後席左側から手が届かないという点だけはどうにかしたいと思う。インパネのスイッチでON/OFFだけは出来るけど、毎度運転手に注文する必要があるのはちょっと不便であろう。ちなみに、リアクーラーのコントローラーは頭上中央なので問題ない。

今後の予定

まずは、とにかく乗り心地改善のために足回り。ローダウンはするつもりなかったんだけど、ついでに2cmほど下げておけば、格好はともかく乗降性は改善されるので迷う。追って防音防振だ。内貼りを何度も剥がすのは嫌だし、同時にスピーカーも交換したほうが良いだろうなぁ。

金かかるなぁ。エライ物買っちまった!と少〜し後悔しつつも、今後のカスタマイズが楽しみではある。財布と相談しつつ、1年位で「完成」に近づけていければと思う次第;-)

今回の走行距離:550km
E26型NV350キャラバン総走行距離:550km