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新潟市でIT業を営むおっさんのブログ。

金曜ロードSHOW!「寄生獣(前篇)」見た

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「どーせTV版はカットされてるんだろーし、レンタルで見ればいいからスルーで」と思ってたのに、たまたまリビングに座ったタイミングで息子がTVチューナを操作してて、導入部分が映ってしまったもんだからその流れで見ざるを得なかった。「面白い漫画の実写化」なんてものは、楽しみより心配の方がデカいのが常なのだが(多くの場合心配した通りの落胆が待っているし(^^;)、本作については、

期待値超え過ぎ涙出た。

これでもカットされまくりでダイジェストみたいなモノ*1ってマジか?劇場で見れば良かった(ガーン)。

まず物語の構成が絶妙。長い原作を映画の尺にまとめようとすると、大抵は駆け足すぎたり語らなすぎたりするのだが、本作ではそう感じさせる場面がほとんどない。もちろん物語も登場人物も大胆にカットされているのだが、その取捨選択が上手い。さらに、複数のストーリーが巧みにマージされていたり、重要ながらカットされてしまった要素を別のアイデアで埋め合わせていたり。作り手の愛を感じるね。

もっとも、岩明均センセの漫画に特有な「あの雰囲気」は全然再現されていないのだけれど。アレは...実写では無理だわな(^^;。そこをスッパリと諦めているのは、映像作品としては逆に功を奏している気がするのだ。素直にストーリーや設定の良さに集中できる。それに、小道具や台詞がキッチリ現代風にアレンジされているのも良い。今読むと原作は古臭く感じてしまうので(80年代の作品なので致し方ないのだが)、映画の中の世界は物凄く新鮮に感じられた。

よく「原作のある映画は、原作とは別物として楽しめば良い」というけど、本作についてはそれは当てはまらないね。表現の方法が異なるだけであって、ちゃんと「寄生獣」してるのよ。現代化かつ高密度化された「寄生獣」として楽む事ができた。俺的にはこの出来なら文句ないね。強いて文句をつけるとしたら、CGのクオリティかねぇ。車の落ちるシーンとかチープで(^^;。もっとリッチなCGを...てのは、邦画には酷な話なんだろうか(^^;;

以下ネタバレ。
























唯一島田を倒すシーンだけはすっきりしなかった。あそこは原作では「シンイチの肉体の異常性を強調する」鳥肌モノのシーンなのよ。だから、ホントは原作通り「石を投げて」欲しかった。まぁ、その後の「Aとの最後の戦い」でも異常性は明白になるし、ミギーが弓矢になる複線も丁寧に敷かれてはいたので「好奇心旺盛で勉強家で変化自在なミギー」を前面に出す判断もアリっちゃアリなんだろうけどもねー。

しかし、宇田さんが出てこないからどうやってまとめるんだろうと思ったけど...最期のかーちゃんの「右手」は原作越えてたわ。首から下はかーちゃんのままだったんだよ(T^T)。原作で宇田さんが言う「きみがやっちゃダメだ」というやさしさも物凄く理解できるけど、それでも俺は新一にやらせてやりたかったとずっと思ってた。20年越しの敵討ちが叶った心境だったわ(T^T)

*1:グロシーンがカットされてたのは想像つくけど、それでも21:00から放映する内容としては色々と際どくなかったかね?(笑