俺#

新潟市でIT業を営むおっさんのブログ。

「Windows7β1」の感想

http://ja.wikipedia.org/wiki/Microsoft_Windows_7

WILLCOM D4とAthlon64X2のデスクトップで、Windows7を5日間ほど使ってみた感想。

1)Vista比で劇的に軽いモノではない

Vistaとの差は「コツコツと頑張ってチューニングしたんだね」という程度。起動時間には体感できる明らかな差があるが、起動後の操作感はさほど変わらない。極端に「7は速い軽い」「まるでXP」というふうにのたまう人は、比較できるほとVistaに触れていないと思って間違いない。

2)細かいUIの改良

タスクバー以外にもいろいろある。

例えばネットワークへの接続。Vistaだと「アイコン」クリック→「ネットワークに接続」クリック→「接続先」ダブルクリックだったものが、「アイコン」クリック→「接続先」ダブルクリックに整理された。モバイル環境ではありがたい変更だ。

UACも例の「ウザい確認ダイアログ」の表示回数が削減された。例えば、デフォルト設定のままでも、管理者ユーザーでログイン中に「コンピュータの管理」を開く時には表示されない。VistaではOn/Offしか出来なかったが、好みの頻度に調整できるようになっている。

3)新機能もいくつか確認

気づいた所では、ネットワーク共有の「ホームグループ」や「ドキュメント」フォルダの強化がある。

ホームグループは、ユーザーアカウントではなく共通のパスワードで認証を行うフォルダ共有のようだ。Vista以前のOSから接続できるのかは未確認だが、手軽なフォルダ共有機能として重宝しそうだ。

「ドキュメント」フォルダは、単一の物理フォルダではなく、複数のフォルダの集合体を扱えるようになった。自由にフォルダを登録して、まとめて閲覧できるようになる。

とまぁこんな感じ。Vistaの正常進化、それもマイナーアップデートの範疇であろう。今多くの人が7に期待するのは「NetBookでも快適なほどの軽さ」かもしれないが、そこまでの劇的な変化はない。Vistaが快適でないチープな環境での体感は大差ないであろう。Ver.7ではなくVer.6.1なのは正しい。

Vistaは世間で言われるほど「ヘボいOS」ではない。確かにUIが煮詰まっていないという悪い面はある。APIの仕様に「退化だろ!」と思わせる所もある。しかし、世の中「Vistaを叩いておけば通っぽい」とか思ってる人が多いんじゃないのか?ほとんど触ってないのに、批判ばかりしてるヤツが余りに多すぎるんじゃないか?

そこそこのCPUとGPU、1.5GB以上のメモリを搭載したマシンなら、Vistaのサクサク感はXPを上回る。逆にXPのままマシンを新調しても、操作感向上は頭打ちだ。既に古くなりつつあるマシンを、XPのサポートが切れる2014年まで使い続け、なおOSを入れ替えて延命したい人がどれほどいるか。いったい何がそこまで不満なんだろうか(^^;

メモリを食うのは、GPUを活用して効率的な描画を実現するため。ディスクにアクセスしまくるのは、インデックス生成や自動デフラグを行うから。悪の象徴みたいに言われるUACだって、本当に理解している人なら評価してしかるべき機能だ。

もちろん、PCの「より速くより多く」という拡大路線が転換期に来たのは確かだ。既に7でもハードウェアGDI描画が再サポートされ*1、メモリ使用量も削減*2された。MSも(多分しぶしぶだろうけど)舵を切った訳だ。

OSアップデートに伴う各種インパクトを忘れさせるほどXPの時代が長く続いた上に、7年も前に出たOS(=XP)がようやく動かせるレベルのチープなNetBookが流行ってしまったのは、「拡大一辺倒路線の頂点」かつ「大規模なアップデート」だったVistaにとって不幸な出来事だったと言える。

2014年までに出るであろう「7の次」には、拡大方向も縮小方向もサポートできる柔軟性のあるOSを期待したい。D4でもサクサク動き、最新のデスクトップではゲロっ速いヤツをさっさと出せ!!(笑)

*1:Vistaでは古いハードウェア描画機能を切り捨てCPUのみで描画する方式になっていた。

*2:これ、ひょっとするとWindowsの歴史で初めての珍事なんじゃないの?(笑