BorlandのIDE部門(DevCo)が「CodeGear」として分社化
http://japan.internet.com/finanews/20061116/12.html
売却はキャンセルされた模様。「子会社化が最良の選択肢と判断」としているが、結局のところ売却先が見つからなかったという事だろう。
BorlandのIDEの特徴は「使いやすさ」と「開発の容易さ」に集約される。古くはDOS用のIDEの出来栄えは最高だったし、16bit Windows時代にMFCと双璧をなしたOWLも良くできたライブラリだった。「ネイティブコードが吐けるRAD環境」を実現しているのは、現在でもC++Builder/Delphi/Kylixだけ。同様に非常に秀逸だったJBuilderのRAD機能も、未だにそれを超えるものが登場しない。クライアントJavaが普及していればJBuilderの将来は明るかったに違いない。いずれも一度使えば手放せなくなる逸品だった。
Borland衰退の直接のきっかけはMSによる技術者の大量引き抜きなのだろうが(Delphiの設計者がC#を設計したのは周知の通りだ)、Borland自身も「Borland IDEの特徴はDelphi言語だ」と勘違いしていた節がある。多少もてはやされたからといって、Delphiなど単なる言語仕様でしかない。Borlandは早々にVCLを発展させ、クラスプラットフォームかつ言語非依存のフレームワークを構築すべきだった。しかし、Borlandはその足がかりであるKylixを捨ててしまう。
MicrosoftはNovellと提携し、オープンソースの.NET Framework実装であるMonoに直接テコ入れするのではないかという噂も出ている。SunもJavaをオープンソース化した。どのOSにおいても、Javaと.NET Frameworkがアプリケーションフレームワークの双璧、という時代が来るかもしれない。Delphiを.NET for Windowsに乗せて喜んでいる場合ではないのだ。.NETに乗っているだけでは、後手に回るばかり。未だ.NET1.1にしか対応せず、VCL for .NETも使えないC#Builderを使う意義がどこにある?ロードマップにVisual Studioの後追い要素しか予定されていない様では、BorlandのIDEに将来はない。
[追記]
http://delphiroadmap.untergrund.net/
Turboシリーズのダウンロード数などからBorland IDEの将来の展望を議論するページ。う〜む、明快な解がここにある感じがする。CodeGearにこのメッセージは届くかな?