俺#

新潟市でIT業を営むおっさんのブログ。

WILLCOM D4総括

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0723/pda84.htm

お待ちかねの分解レポート。確かにこの手のデバイスとしては部品数が多くてゴチャゴチャな感じがするかも。でも、ネジの位置さえ判ってしまえば分解は難しくなさそう。既にSSD化してる人もいるようだし、俺も予算が取れ次第SSD化はしたいな〜。

2週間弱使い込んで、D4は良くも悪くも唯一無二のデバイスだと思った。初代W-ZERO3よりさらに荒削りで弱点も多いけど、W-ZERO3よりも行動パターンに与える影響は大きい。取り出して使う時の物理的&精神的コストが普通のノートPCと比較して圧倒的に低く、今までケータイを使っていた場面で普通にPCが使えるようになったって感じ。

例えばリビングで寝転んだままメールチェックしたいとか、出かける前に天気だけチェックしておきたいとか、わざわざデスクに座るほどではない場合にはケータイ(京ポンW-ZERO3Ad[es]と変遷したけど)を使っていた。それらは大抵ポケットか、悪くても「いつも持ち歩く小さい鞄」に入っているのですぐ使えるのだった。PCより不便だが手軽さ優先。

ノートPCはそれ用の大きな鞄に入って普通はパソコンの部屋に置いてあるので、わざわざ持ってきてリビングに広げないよなぁ、みたいな感じがするワケ。広げれば嫁には邪魔モノ扱いされ、飯の時間には片付けなければならない。そもそもノートPCを出し入れする時間があるならデスクに座るほうが余程早かったりする。

そこにD4がやってきた。D4は初代W-ZERO3に代わり「いつも持ち歩く小さい鞄」の中に定位置を獲得した。出かける時には必ず持ち歩くし、自宅ではリビングに置きっぱなし、充電も携帯ライクに部屋の脇で行う。そしてリビングで寝転んだまま使う。それが苦にならないサイズと重さは想像以上のインパクトである。

長文を打ちたくなったらテーブルに置いてプチプチと入力し、終わったらまた寝転ぶ。動画サイトも普通に見れるし、iTunesで音楽も買えるし、いざとなれば開発作業もちょろっとこなせる。余程でない限り、家ではデスクに座る必要がなくなってしまった。まぁ、ハッキリ言って休日の行動パターンは堕落の一途ですな。

WILLCOM D4が初代W-ZEOR3の後継機的デザインかつ世界初のAtom機として発表された時「初代W-ZERO3サイズでVistaが動く電話機を実現してくれる超〜画期的なCPUがAtomなんだ!Atom万歳〜!」みたいな無敵のイメージが先行して根付いてしまった気がする。少なくともWILLCOMユーザーは皆そう思っていたし(<否定は受け付けません)。

実際にD4が登場してみたら「大きくて熱くて電池もたないじゃない。電話の待ち受けもマトモにできないし、これじゃ無理して小さくしたノートPCだよ!」と沈黙する事になるのだが、仮にAtom版のEeePCが先に発表されていたら、そのスペックからAtomは並みの新型モバイルCPUとして正しく認識されたハズ。Atomに対する期待は過大だったのね。

とはいえ、D4はノートPCとしては驚異的に小さくて軽い飛びぬけた存在には違いない。OSはVistaで問題ない速度が出るし、短いバッテリー寿命も大容量バッテリなら実用的な時間を確保できそうだし、それでもサイズと重量の優位は揺るがないレベルなのだ。今後、順当にストレージのSSD化とメモリ増量があればほとんど無敵なんじゃないだろうか?

現時点で最大の弱点は半端なサイズのキーボード。親指入力するには大きく、普通にタイプするには小さい。これ以上大きいと他のUMPCと同じジャンルになってしまうので、幅を縮める方向で進化して欲しい。液晶の左右に配されたポインティングデバイスの完成度が高いのでその配置が変わってしまうのが心配だが、ボタンの位置を液晶の下とかにもってくれば大丈夫かな?

初代W-ZERO3が電話機をPCに近づけるチャレンジだとすれば、D4はPCを電話機に近づけるチャレンジなんだろうね。D4は初代W-ZERO3とは似て非なるもの、D4はフルスペックのPCである事に存在価値がある。ま、そう考えるとやはり初代W-ZERO3の後継機は欲しいけどね。WILLCOM 03の完成度は非常に高いと思うけど、初代のキーボードの使いやすさと画面の見易さは今でも捨て難い。