俺#

新潟市でIT業を営むおっさんのブログ。

本当に恐ろしい事が僕らの街にやってきた

恐ろしい事が起こると、普通は大騒ぎになる。台風とか、地震とか、津波とか。でも、本当に恐ろしい事ってのは、日常の中にしれっと現れて、気づいたら日常が日常でなくなっているものなんだ。日常がそっくりまるごと非日常に放り込まれて、周りからじわじわ溶けていくのだ。3ヶ月前の俺たちに「原子炉メルトダウンしたぜ」って言ってみるといい。超絶パニックが起こる様を想像するに違いない。でも、それは違うぞ、お前ら。

メルトダウンのニュースを見ても「やっぱりメルトダウンしてたねぇ」「困ったもんですな」「全く」とか会話したら、また普通に仕事するのよ。週末には子供と公園にいって放射線量測定して「すげー、れーてんよんじゅーごー。」「れいてんよんごう、と言ってくれ六年生。」「すげー。」「だから体育のあと手洗いうがいしろよー。砂場、吹き溜まり注意な。」「してるよ。あ、腹減った。」とか会話してんの。で、「がんばれニッポン」とか言ってとりあえず自粛してんの。

ふと、戦争もこんな感じだったのかも?と思ったね。開戦しても「やっぱりはじまりましたねぇ」「困ったもんですな」「全く」とか会話して、また普通に仕事するのよ。週末には子供に防空頭巾をこさえてあげて「防空壕の中では耳と目を押さえてろよ。」「そんなこと知ってるよー。ダセー頭巾。」「贅沢は敵じゃ。」「それも知ってる。あ、腹減った。」とか会話してんの。で、「欲しがりません」とか言ってとりあえず自粛してんの。

でも、気づいた時には食い物がなくなって、モノもなくなって、取り返しのつかない戦況なのに「最前線で日々頑張っている人が云々」なーんて誤魔化されちゃったりして。あれっ。あれっ。

何が恐ろしいって、こんなに恐ろしいことが起こっているのに、超絶ヤバいはずなのに、以前と同じように街があって、以前と同じように家族と仲間が居て、以前と同じように自分が居ることなんだ。でも、本当は同じじゃないんだ。何かが変わってるんだ。外から見てる人は大騒ぎなんだ。どうしたんだろう。どうなるんだろう。どうすればいいんだろう。そして、そうこうしてるうちに、赤い紙が届く日が来るのだ。だから、

覚悟しろお前ら。