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フォルクスワーゲン「ゴルフヴァリアント」試乗記。UIの過度なデジタル化は?だけど好印象! #フォルクスワーゲン #ゴルフ #ゴルフヴァリアント

本命のカングーが少しばかり期待外れだったので(積載性を重視する場合の筆頭候補ではあるけど)、比較の対象をステーションワゴンまで広げる事にした。予算も限られるし「あまり大きくても困るかな」という妻ちゃんの要望もあったりするので、選択肢が多いとは言えない。

価格やサイズが範囲内なのは、

サイズオーバーを許容するなら、

道端で100万円拾ったら、

といったところ。メガーヌスポーツツアラーとマツダ6ワゴンが終売となり、全般的な値上がりもあって手が届く価格帯のステーションワゴンは少ない。なお、レイバックとアウトバックはスバルが勝手にSUVに分類してるだけで、ワゴンが正(以下略)

ミニクラブマンは荷室もMINIなので除外。308SWは後席が弱点。復活の可能性は残すが現時点では除外。パサートはモデル末期。A4は荷室が広くない。いずれも無理してまで選ぶ流れにはならないと思う。ついでに復活したランクル70も再検討したが、冷静に見直して荷室の床面積やリアシートの乗降性に難がある。

さて大型連休。VWが営業していたので「ゴルフ ヴァリアント」に試乗させて頂いた。自分の中で地味なイメージが定着していて、最近まで存在を忘れていた車種だ(汗

まず外観。今時の車としては控えめなのが、むしろスマートで良いと思う。実物はライト類も煌びやかで地味ではなかった。個人的にはステーションワゴンなのでリアのデザインで容積を主張して欲しいのだが、ルーフを絞り込んだ今時の仕上げ。空力の問題もあるのだろう。スペック的には容積が増えているので「シューティングブレーク風」と捉えて良しとする。

次に内装。基本グレードであるActiveでは、簡素なセンターコンソールと質素な布シートが少し物足りなく感じた。中間グレードのStyleでは、センターコンソールこそ架装されて雰囲気が変わるが、シートは生地の質感が少し上がる位。セミバケットシートのR-Lineですらシートの表皮は布をベースに纏められているので、これはもうポリシーなのだろう。

インパネの架装パネルは、Activeが文様入りアルミ調、Styleが木目風ヘアライン加工、R-Lineがカーボン調と差別化される。初見では上位グレードの方がより印象に残るが、何度か見比べるとActiveのアルミ調が質で劣る訳でもないし、ポップさが明るさの演出となる。これは好みの世界かも。いずれにしてもベタな高級感は求めない方向性だ。

しかし、いざ運転席に収まると「なんだか良い雰囲気」に包まれるから不思議なもの。308は強い主張があるし、Aクラスなどゴテゴテに作り込まれている訳だが、「でも半年で飽きるかも」みたいな感覚がある。ゴルフにはそれがない。既存のゴルフユーザーの評価は低いようだが(先代がすごく良かったそうで)、個人的には居心地がよくて積極的に有りだと思った。

感動したのがリアシート。リクライニングのような芸当はないが座り心地が◎。完全にリアシート>フロントシートという感想でフロントシートに文句を付けたくなったが、フロントシートにも特段悪いところが無いのよね。この辺はコストのかけ方が国産車と違うと感じさせる。リアの足元も割と広い。ホイールベースが伸びた余裕は、リアシートとラゲッジの両方に配分したとのこと。

そして走り。試乗車は希望したTDI(2000ccのディーゼル)だ。軽快さを併せ持つ落ち着きがある乗り味と適度な重さのステアリング。運転した時に小さく感じるのは良い車の証だね。全般的に満足レベル。助手席の妻ちゃんは路面の粗を拾う乗り心地が気になったようだが、大昔に乗ったゴルフ(世代もグレードも忘れたけど)と比べたら優しい方向に進化しているのでは?と感じた。

走り出しや低速域でのトルク感は「まぁまぁ」だ。最近の純エンジン車は皆こんな感じなのかね。最新のダウンサイジングターボでも、ターボラグに代表されるターボの特性が完全に無くなる訳ではなかろうしな。燃費や排ガスにウルサイ時代だから意図的に絞られてる気もする。もちろん踏めばガッツリ速いので、バイパスの70km/h上限では全く物足りない。峠行くぞ(行きません)。

我が儘を言えばロードノイズがもう少し抑えられたら尚良かった。セダンではないし妥当な水準なのだろうが、動力音が抑えられているだけにどうしても耳につく場面がある。逆に言えばディーゼルエンジンの騒音はまず気にならない。アイドリングストップからの始動ですら僅かな音と振動のみ。そして加速中は程良い音量でスポーティな太い音をかましてくれる。いいよいいよ~。

アイドリングストップの制御がADASと連動しているのも感動した。信号待ちで停車している際、先行車が発進するとドライバー操作を待つことなく先回りしてエンジンを始動してくれる。結果として走り出しがスムーズなのだ。この1点だけ見ても、電子制御系は相当作り込まれていると想像できる。

「良いのか悪いのか判らん!」と思うのは、物理ボタンがほぼ排除されたインパネの操作系。慣れるまではエアコン操作にも戸惑う事間違いなし。スマホ並に豊富な設定項目は弄り倒す楽しみがありそうだ!とも思うし、車までそうなるのはメンドウかなぁ...とも思う。それだけに機能が不足している感は全くないけど。

懸案の荷室は、少なくとも大型犬の居住スペース+αとして十分機能しそうだ。開口部の低さや床面積の広さがステーションワゴンのメリット。さらに床面全体を5cmほど下げることができるので(308SWなどにも同じ機能がある)見た目のイメージを越える広大な空間となる。まぁ、以前はセダンで暮らしていたのだから、これで足らないということは無かろう。

今回の車選び、迷走している。乗りたい車も何を重視するかも明確でないので、静かさやスムーズさではサクラが、広さではキャラバンが、走りではスカイラインが、それぞれ比較の対象になってどの車でも何かしら不満が残る。加えて程良いサイズと手が届く価格、ADASや燃費性能、可能なら4WD、さらに(10年前の感覚で)値段相応の質感とか言ってるので無理ゲーだ。

その中でもゴルフヴァリアントは気持ち良く乗れそうな1台でかなり好印象。ただ、希望通りの仕様が選べるのかが問題となりそう。というのも次に船で運ばれてくるのはマイナーチェンジ後の型になるそうで、ラインアップも不明で値上げの可能性も高いらしい。円安め。とはいえまだ他も見たいので見積までで保留。これで機を逃すのか?結果オーライとなるか?

以下オマケ。

試乗の後にサクラに乗り換えて、改めて「サクラの完成度高し!」と思った。静粛性や低速域のトルク感はBEVだからチートだとして、それ以外の要素も一般道の速度域ならゴルフと良い勝負なんだよね。軽自動車の走りではない。さすがに高速域では色々と破綻するけど、トレッドを少し広げたら世界で戦える車になるのではないか。他と比較する事もなく走りに惚れ込んで購入した自分の感覚も捨てたものではないなw