キャラバンの後を継ぐ車探し継続中。本命だと考えていた「ベルランゴ」や「カングー」が物足りない内容だったので、現在はステーションワゴンを軸に検討している。一般的なSUVとミニバンを排除した上で、人間x3+大型犬x1+コストコの荷物に対応できる積載性と満足できる走りは両立できるのか?
今回スバルの2台に試乗する時点で候補だったのは以下。
- 日産 キャラバン(前期型所有・現行型試乗済)→全部ダメだった時に還るべき故郷
- ルノー カングー(試乗済)→全般的に物足りないが選択肢としては残る
- フォルクスワーゲン ゴルフ・ヴァリアント(試乗済)→現在の最有力候補
- スバル レヴォーグ(先代試乗済)→4WDを求めるならこれ?
- スバル レヴォーグ・レイバック(未試乗)→4WD+テンコ盛り装備ならこれ?
検討した結果既に対象外となっているのは以下。
- シトロエン ベルランゴ(試乗済)→リアシートが絶壁
- スズキ エブリイ・ワゴン(未試乗)→興味あるも妻拒絶
- ダイハツ アトレー・バン(未試乗)→リアシートが絶壁
- 日産 NV200バネット・ワゴン(前期型現車確認済)→古い
- トヨタ クラウン・エステート(未試乗)→サイズ(多分予算も)オーバー
- ルノー メガーヌ・スポーツツアラー(未試乗)→検討中に終売
- プジョー 308SW(ハッチバック現車確認済)→リアシートが窮屈
- スバル レガシー・アウトバック(現車確認済)→サイズオーバー
遂にスバルだよ。古の話だが、大学時代の先輩の3代目レガシーツーリングワゴンの助手席に何度も乗って「俺も乗りてぇ」と憧れた記憶は鮮明だ(免許はなかった)。最近では友人の先代レヴォーグを100kmほど運転させてもらった。好きか嫌いかで言えば好き。自分の中で日産とスバルは不動のワン・ツーである。
候補は「アウトバック」「レイバック」「レヴォーグ」となる。しかし、アウトバックは長すぎるサイズで除外。また妻ちゃんからはゴルフヴァリアントの乗り味でも文句が出たので*1、まずは走りのレヴォーグではなく乗り心地のレイバックに狙いを定める事にした。レイバックはお買い得だしね。
ところが!レイバックの隣りに停まっていたフォレスターを見た妻ちゃんが「これ格好いいねぇ」と盛り上がり始める。普段追っかけている海外YouTuberがフォレスターに乗っていて、前から良さそうな車だと思っていたそうな。オクサーン、ボク、ソノハナシキイテナイヨ?
俺「それタダのSUVじゃん。」
妻「これは良い。YouTuberが乗っててすっげーよさそうだった。(ふっふーん)」
俺「これが可ならエクストレイルもアリじゃん。」
妻「エクストレイルは嫌い。」
俺「うん。そうだよね。」
そうだ。今回の車選びは、要件を満たせる限りは妻ちゃんの意見を最大限取り入れると決めたのだった*2。よし!たった今から「フォレスター」も候補だ。試乗した後でもなお「良い」と言うほど惚れ込んだ車なのであれば、もう決まりで良いや。パパこっそりSTIを注文しちゃうぞぉ。
こんな場末の記事を読んでいる賢明な車好きならお気付きだろう。フォレスターは図体はそこそこデカいがあくまで実用車。車格的にはレヴォーグやレイバックの下に位置する。海外勢を交えた車探しの中で比較してしまうと、多分イロイロと厳しいのだ。
という訳で2台の試乗が終了。結論としては2台とも候補外となってしまった。
妻「むっすー。(最初からフォレスターの素性を)知ってた?」
俺「知ってた。フォレスターの見積はSTIでもいい?」
妻「好きにして。もう(フォレスターは)ないから。」
俺「ショボーン。」
フォレスターSTIでスバリストデビューの夢は一瞬で潰えた。かの国ではフェレスターは舶来の高級車という扱いになるだろうからな。寒い国だからスバルのAWDは頼もしいに違いない。やはり映像や他人の評価だけでは判らんよなぁ。
以下、試乗レビューである。
まずはフォレスターから。ガソリン2.0L N/Aエンジン+モーターのe-BOXERに試乗。
先述のように、車格的には他の比較対象よりも1つ下となる車だ。やはりエンジン音やロードノイズが遠慮なく耳に届くし、乗り味もバタバタ感が否めず平均的な普及価格帯の日本車そのものだね。モデル末期なので最新のものと比較してしまうと一層厳しいという事情もありそうだ。
しかし、個人的はレイバックより好印象だった。まずアクセルレスポンスが割と自然。リニアにトルクが出るNAエンジンである事と、ゼロ回転から最大トルクが出るモーターがアシストする事で、上手い具合にCVTがマッチングできるのだろう。
また、バタバタ感とは言ったが、背高ボディをグラグラさせず走らせるためには致し方ない範囲だと思う。おかげでハンドリングが良いし軽快に走る。運転していて楽しい足回りのバランスは、「さすがスバル!」なのである。
無理がない。辻褄が合っている。真っ当な良い車。希少性とか高級感みたいな余計なものを求めなければ全然アリ。なにより室内の実用性が高い。SUVを除外した車選びが愚行に思える。売れる車には理由があるよ。マジで好印象だった。もし妻ちゃんが試乗後でも「良し」だったら可能性があった。
次に本命のレイバック。この車は現行レヴォーグのリフトアップ版で、1.8Lターボエンジンのみのモノグレードである。
先代レヴォーグの1.6LターボにおいてはCVTとのマッチングがかなりイマイチで「この世代は買えないな」と思った。期待の現行型は排気量が上がった新エンジンとの組み合わせで、結構良くなったと感じた。1世代分の進化はある。偉い。
しかし、モデル末期のフォレスターには届かないのが微妙なところ。踏み込んでから加速までの間延びが気になる一方、リニアに加速し続けたい場面で意図した以上にトルクが盛り上がって難儀する。ターボとCVTの組み合わせでこれ以上煮詰めるのは難しいのかな。ここは予想の範囲内なので減点はしないケド。
悩んだのはそれ以外の全部。ハンドルの切り出しが緩い。舵角と車速によってリアが付いてこない。うねりで上に飛ぶような大きな挙動を示す。それにもかかわらず乗り心地は絶賛できるレベルではない。不意にボコッと来ることがあるし揺れ方もあまり気持ち良くない。ベースのレヴォーグとは恐らく別物。全般的に落ち着かない。
だからといって大きく破綻するような事はない。ガバっと踏んでドカーンと加速し、ギューンと曲がれば気持ちいい。加速中の安定感は高い。車高を上げた分だけロールも大きいが、その先ではしっかり踏ん張る。そこは腐ってもスバル。
確かに優しくはなっている。静粛性も高くて上級車の味がある。一言で表すと「トヨタっぽい」。細かい事を気にせず大雑把に走るのならアリ。ハリアーのユーザー層を狙ったらしいので、全て意図通りなのかもしれない。この方向性の味付けが好みの人も多かろう。加えて装備テンコ盛りで400万切りの価格なのだから買うよね。
「レヴォーグも試乗する」となりそうな流れだが、ここで試乗会は終了。レイバックの荷室を検証したところ高さが要求レベルに届かない事が判明したのだ(レヴォーグもボディは同じ)。思ったよりルーフが低い。床面を下げる機能もない。構造的にAWDとのトレードオフか。惜しいが要求とはマッチしなかった。
スバル車は機能満載でお手頃価格なのが魅力的。AWDとアイサイトが(ほぼ)標準だし、電動シートが奢られて上級感を味わえる。造りも堅実で良く走る。しかし「コダワリの水平対向で良かった!」「熟成のCVTで良かった!」と感じられないのが難しいところ。
もしトルコンATのスバル車が復活するなら物凄く期待するよね?なんなら直列エンジンでも可だよね?しかし、電動化の狭間にあって変革は難しそう。レイバックのようなテンコ盛りハリアーモドキの登場は、従来路線が行き詰ってきた事の表れかもしれない。
結局、試乗前と変わらず「ゴルフ・ヴァリアント」が最有力候補である。ここでゴルフに決めても良いと思ったが、妻ちゃんが走りの面で納得していないご様子。そろそろ選択肢もなくなってきたのだがな。リアシートが窮屈だという理由で独断で除外していた「プジョー 308SW」を二人で再検証してみようか。続く。