俺#

新潟市でIT業を営むおっさんのブログ。

人類は何処へ行くべきか

我々の将来については、とにかく悲観的な見方が多い。環境問題とか、エネルギー問題とか、食糧問題とか、すぐに思い浮かぶものだけでも難しそうな課題がいくつもある。

先進国と自称する国々では、大量生産大量消費によって「豊かな生活」が実現されている。しかし、少し社会勉強すればその生活が多大なる格差の上に成り立っていることに気付いてしまう。貧困に悩む人々の実情を知るたびに可哀想とは思っても、自分たちの生活水準を落としてまでなんとかしろ、とは誰も言わない。仮に全ての資源を公平に配分したら、先進国の基準では「何も残らない」に等しいのだから当然である。

ここにきて後進国と呼ばれていた人口の多い国々の発展が目覚しい。全ての国が発展すれば格差は解消しそうだが、やはりそうもいかないことに気付いてしまう。全ての人が「豊かな生活」をするためには、地球上のエネルギーも食べ物も全く足りない。自分たち以外は発展して欲しくない、というのが先進国の本音だ。落ち目の先進国はいつ蹴落とされるのかと戦々恐々で、国内格差も広がっていったりする。つまり、既に部分的に蹴落とされている。今後は、格差は国家の間ではなく個人の間に形成されるものになるのかもしれない。

「かの国の人々はエネルギッシュだなぁ。このままじゃ貧乏暇なしの我々は近いうちに先進国から脱落して、エネルギーも枯渇して、食料も無くなって、お先真っ暗でないの。でも、それでも自分から戦争をしかけるなんてことはしないかもしれない、と思える国に住んでいるだけマシかなぁ。」というのが日本人の現状なんじゃないだろうか。なるほど、これは将来の夢も希望もあったものではない。ご愁傷様です>俺

ここで、最も重要な食料事情について考えてみる。

  • 人が増えすぎて、全世界が工業を放棄して農業と漁業に回帰しても養えない。
  • エネルギーを費やして農作物を増産したとしても、エネルギーそのものが枯渇しそう。
  • エネルギーを消費すると環境が悪化して、逆に住む事も食べる事も適わなくなりそう。

このようにどん詰まりの状況である。日本に限れば、鎖国して一億総出で農業と漁業に回帰することで貧しいながらも自給自足の生活ができるかもしれない。もちろん、気候が激変せず、他国に攻め込まれなければの話だが。いずれにしろ、後進国の発展がこのまま続けば、近いうちに何らかの大転換期が来るのは確実だ。かといって、その日の食事にも困っていたという人々が生活水準を上げようと努力する事を咎める権利など誰にもないから困ったものだ。

二つのシナリオが考えられる。

1.人が減る。もしくは減らす。その後は住環境を破壊しない程度につつましく暮らす。

人が減る原因として、飢餓や疫病や戦争が考えられる。つつましく暮らすという点で、自分は死なないと思っている環境保護派にうけそうだ。しかし、これは残念ながら人類の滅亡を意味する。人類は地球外に移住しない限り、地球と運命をともにしなければならない。地球の寿命はあと45億年。ラッキーにも45億年先まで地球表面の薄っぺらい住環境が維持できたとしたら、45億年は十分長いかもしれない。しかし、44億9千9百99万9千9百99年後に残された子孫はその時何を思うだろうか。石油100年分で十分と考えるか、地球45億年で十分と考えるか、問題を先延ばししているという本質に変わりはない。

2.永続的に使用できるエネルギー源を確保し、全人類を養うに足るシステムを構築する。

人類の本質・本能は、やはり子孫を未来永劫存続させるという所にあるはずだ。人類は唯一、地球脱出を実現できるかもしれない技術を手にした種族である。地球は丸く、宇宙は無限で、ついには地球(正確にはその表面の住環境)に寿命がある事までも知ってしまった。もはや後戻りはできないと考えるのが妥当だろう。永続的エネルギーを確保し、今の人口を維持できるだけのシステムを構築する。その程度のことが実現できなくて、この先どうやって進んでいくのか。

明日をも知れない生活をしている多くの人々にとって、人類の未来などどうでも良い事であろう。そうでなくても、気が回るのはせいぜい孫やひ孫までの事くらいかもしれない。しかし、限られた一部の人々には人類の遠い未来が見えているのだ。ピラミッドの頂点に立つ者だけしか望めず、知力と資源を一極集中して初めて成し得る目標。人が何故争うのか、どうして格差が生まれるのか、という疑問への回答がそこにあり、残酷にもその事が人類の存続につながって行くのだと思えて仕方が無いのである。

「東京ってのはすごいよ。この狭い平野に3,000万の人がいて、不自由なく移動して呼吸して飲んで食べて排出できる、高度なシステムが構築されてるんだから。」

現状では外部の犠牲の上にしか成り立たないこの幼稚な東京というシステムも、きっと火星基地のプロトタイプなんです。ピラミッドは高ければ高いほど、天に手が届きやすいと思いませんか?世の中がどんなに残酷でも、いくら頑張っても格差が無くならなくても、人類にとって必要でない人間は一人もいないんだ、と思って頑張りましょう。