俺#

新潟市でIT業を営むおっさんのブログ。

2代目「ティアナ」の実車を見てきましたよ

http://journal.mycom.co.jp/news/2008/06/02/012/index.html

フーガよりも車名が浸透し、都会でも田舎でもわりと存在感を発揮している感じがする「ティアナ」の2代目を見てきた。まぁ、乗り換え時期を考えるとこの世代のティアナとは残念ながら縁がないと思うのだが、「おっきな国産セダン」が大好きな俺としてはどうしても気になるのだった(^^;

初代は良くも悪くもパッと見て驚く「車らしくない内装」が特徴だった。特にシート形状の見た目のインパクトは抜群で、サポート性云々を語れるシートではないものの話題性は高かった。外観はプレーンで、走りもセフィーロやローレルの後釜としては十分以上、手ごろな価格設定もあり、トヨタ以外のセダンでは久々のヒットになった。フーガ、スカイラインが台数の勝負から手を引いた状態なので、日産が国内でフルラインメーカーとしての存在感を維持するための重要な役割を担っていると言える。

さて期待の新型だが、まるで「車のような内装」なのである。シート形状もいたって普通。リアの大型ヘッドレストが贅沢感を演出するものの、ティアナらしさは減退したという印象を受ける。しかし、座ってみると「この柔らかい感触はなんぞ!?」というシート表皮にびっくりする。車のシートから想像されるものとは程遠い触り心地。耐久性が心配になるほどフワフワなのだが、もちろん「問題ない」そうだ。初代の思想はちゃんと受け継がれていたようだ。

ただ柔らかいだけではない。僅かに沈み込んだところでしっかりサポートされ、サイズ的にも余裕があるのでドライバーズシートとしても好印象。初代の一体成型シートとは雲泥の差だ。長距離移動がラクであろうことは容易に想像できる。サポート性も車の性格を考えれば丁度良い。後部座席は相変わらず「広い!」。旧来の国産車にありがちな「後席背もたれ寝すぎ病*1」も治癒したようで、本当に真面目に作られている印象。V36とは別の次元で「いい車」になったと実感する。

インパネも「すし屋のカウンター」ほどのインパクトはないが、明るく柔らかい和み系の独自の雰囲気はより増している。特に、宙に浮いたようなソフトパネルにディスプレイやエアコンの吹き出し口が埋め込まれているのはいい感じだ。全体的に質感は大幅にアップしている。ただ、艶消しの木目の安っぽさが相変わらずなのは、この価格帯では致し方ない所か。(オプションで本木目が選べればいいのに...と思ったけど、今度はアルミ調部分とのバランスが悪くなるかもしれない。まぁ、本木目+本アルミってのは高望みだね(^^;)

1つだけ残念な所がある。ステアリングの前後位置の調整ができないのだ。一昔前には普通にできなかったので致命的ではないが、ティアナはアジア限定とはいえ世界戦略車であり、国によっては日産の旗艦車種という重要なポジションにある。前後位置調整は世界的には小型車にも浸透して当たり前の機能になりつつあるし、手を抜いて良い所ではないだろう。他の部位の完成度を鑑みるとコストの問題という気がする。惜しい。

外観は、「あ、ティアナだ!」と判る程度にイメージを引き継いでいるが、前後ともかなりシャープになり存在感が増しており、実際サイズは全長全幅ともV36スカイラインを上回る。フーガからマイナーチェンジの際に消滅したラグジュアリ系のグレード名「XE」「XL」「XV」が転用された事から、従来より少し上までをカバーさせたいという意図を感じる。

今後スカイラインはよりスポーティ路線を極めるのか、フーガはさらに上に行くのか、シーマはやはり消滅か、シルフィとスカイライン&ティアナの間を埋めるプリメーラクラスのセダンが復活するのか、など等妄想は尽きませんな(笑)

*1:カタログ数値上の室内長を稼ぐためリアシートの背もたれを寝かす悪習。ケツが前にずれてしまい疲れやすい。ティアナは先代比で室内長が短くなっており、この点において改善が図られたと考えられる。もちろん実際の広さ感は確実に先代を上回る。真面目に作られるようになったと良心的な見方もできるが、単にセダンがカタログ数値で比較される時代ではなくなったとも言える。