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新潟市でIT業を営むおっさんのブログ。

お値段基準で「こっちがお得」の根本的な勘違い

支出をシミュレートして「どっちがお得か?」なんてのは良くあるネタだ。例えば、こんな賃貸と持ち家の比較である。

http://www.news-postseven.com/archives/20101203_7069.html

30年で賃貸より持ち家のほうが2000万も出費が多い、という。持ち家ならではの出費があるのは確かだが、差額2000万とは極端だ。相当高額な物件が基準なのだろう。

エコが流行りなのでマイカー止めてカーシェアリングにしよう、なんて話も多い。

http://allabout.co.jp/finance/gc/11766/

カーシェアリング、レンタカー、中古車の比較もあったりする。

http://www.corism.com/special/life/296.html

理論的には確かにそうかも?と思う反面、手続きの手間や、時間が制限される事による気ぜわしさ、自宅とレンタカー拠点間の移動手段など、デメリットは考慮されていないようだ。

家にかかる費用、車にかかる費用、それらを最低限に抑えたいという要求は当然あるだろう。それなら住居は格安の古いアパートが最良だ。少なくとも賃貸と持ち家で差額が2000万も出る物件は選択肢にならない。車も同様。生活に車が必要な地域に住んでいるなら、中古の軽を選べばよい。多少旧式で燃費が悪くとも、短距離なら問題ないからだ。車がなくても普段の生活に支障がないなら、そもそも車は要らない。

それ以外の多くの場合、例えば「少し広い部屋に住みたい」とか「たまに車で旅行に行きたい」とか、多少なりとも家や車に付加価値を求めるだろう。そうなると、最適解はそれこそ人それぞれだ。持ち家の自由を選ぶ人、賃貸の気軽さに惹かれる人、駅前の便利さにこだわる人。ハイテク満載のエコカーに価値を見出す人が多い一方で、ワンボックスの積載性を求める人もいる。

プリウスを買った人に「軽自動車のほうがお得なのに...」という理論は通用しない。そこそこヘビーに走る使い方でないと、車体価格がペイしないのは計算すれば解ること。しかし「新鋭のエコカーに乗る事の価値」は値段で議論できるものではない。「違うもの同士を比較して安いほうがお得」という理論は、価格そのものに価値が見出せる場合を除けば、単なる価値観の押し付けに過ぎず、何の役にも立たないのである。

そんな金額ベースの比較論を持ち出して「家を買うやつは情弱」とか、「車を買うやつは非エコ」などと、したり顔で言う人もいる。そんな人を見る度に「あなたは、お金を節約することが目的で生きているのかい?」と思うのである。それこそ、相手の価値観を理解できない貧しい心や、お金が全てと思っている深層心理の裏返しではなかろうか?

どうでもいいけど、フェアレディZのレビュー動画で「エコカー全盛の世の中だけど、罪悪感を持たずにFRを楽しんで云々」と連呼した自動車評論家にガッカリしたのを思い出した。エコカーマンセーの世論にすっかり流されてしまったのだろうけど、車乗ることにそこまで罪悪感があるなら評論家辞めてしまえ!と思う。言い訳しながらレビューするのはあまりに格好悪い(^^;

そんな事で罪悪感を持つ人は、このご時勢にZは絶対買わないよね(苦笑