俺#

新潟市でIT業を営むおっさんのブログ。

#第二種電気工事士 免状を取得した話。 #電気工事士 #第二種

届いた。これで家中の壁という壁にコンセントを増設できる!

国家資格ではあるが免状の交付は都道府県知事である。近年は都道府県の単位でプラスチックの免状に切り替えが進んでいるそうだが、新潟県は予期した通りまだ紙だった。

プラスチックの板より、こちらの方が古の国家資格っぽくて良い雰囲気なのではないだろうか。米穀通帳に通ずるものを感じる(うそ。見たことない)。

こちらが受験とその準備に使用した書籍、工具、電材の類である。

取得理由

目的は2つ。

(1)家中にコンセントを増設する

、、、というのはできるけど冗談。照明器具をベースごと交換したりEV充電器を自分で設置したりできる。DIYの幅が広がるので嬉しい。

(2)試験対応能力の残存を確認する

自動車運転免許を省くと、試験と名が付くものを受けたのは「第二種情報処理技術者試験*1」以来となる。しかもこれは勉強せず受かっているので、「試験勉強」という行為は大学受験が最後。つまり30年近くやってない。果たして教科書の内容をノートにまとめて頭に叩き込む事ができるのか?それ以前に字が書けるのだろうか?住所と名前以外を書くことがほぼないのだが。

筆記試験

www.shiken.or.jp

誰でも受験可能。4択マークシート。60点以上で合格。合格率は6割前後。

「落とすための試験ではないが、必要な知識はちゃんと身に着けさせる」という意図が感じられる内容。終盤になるほどに「さすが国家資格。良く考えられているんだな。」という感想になる。ちゃんと勉強すればクリアできるが、パラパラめくった程度ではダメということだ。準備にかけた時間は40時間ほど。

まず教科書をルーズリーフに要約したが、最初の3枚は自分でも読めないレベルで字が下手。やはり字を書く能力が著しく退化していた。要約するのも頭を捻りながらで早速嫌になり始める。勉強はキライだ。私はなぜこんなことを始めたのだろう?(おい)しかし、4枚目辺りからはコツを思い出してきたのか、スムーズに進むようになった。

80点を目標に頑張ってみたが、過去問題を使った模試では終始70点台をウロウロ。頭の悪さを思い知らされる。本番の自己採点で80点を突破できたのが救いだった。

割合的には暗記モノが5割、演算を伴う問題が3割、応用問題が2割といったところなので、理系が苦手な場合には暗記モノに集中してクリアするという選択肢がありそうだ。実際そのように指南する動画もある。しかし、特にDIYが目的であればここでキッチリ学習したほうが良い。実務でスキルアップするフェーズはないのだから。。。

技能試験

筆記試験合格者のみ受験可能。ノーミスで合格。合格率は7割前後。技能はチャンスが2回あり単純計算にはならないが、筆記と技能を通しての最終的な合格率は5割位か?

配線図から複線図を起こし、本物の電材を用いて卓上で配線作業を行う。事前に13個のお題の概要が通達され、そのうち1つが地域毎にランダムに出題される。どのお題が出るのかは判らないので、基本的には全てのお題をマスターしなければならない。ミスが1個でもあるとアウト。実際の工事なら人が死ぬので当たり前?準備にかけた時間は20時間ほど。

お題の配線図は筆記試験の応用問題と比べたら非常にシンプル。試験時間も40分と十分に感じられたので「被覆を剝いて配線するだけ?困るところなくない?」などとタカを括って暢気に構えていた。しかし!いざ1作目の実践となったら完了まで80分以上かかった上にミスも3つあって完全にアウト。

無理無理!(バンザーイ!)

本気で練習しないとヤバい!と認識を改め、13個のお題をランダム順に愚直にこなし始めた。2作目は50分、3作目はギリギリ40分、4作目でようやく35分。ただしミスが残り合格には程遠い。速度を求めるとミスる。慣れることで速度と余裕を増やし、ミスを減らさねばならない。積み重ねしかないのだが、ひ弱なIT屋の手指は皮が剥けてしまい、腕には腱鞘炎の症状も。本番が迫る中で、練習できない日は忸怩たる思い。なかなか楽しませてくれる!

手応えを感じたのは10作目辺り。お題に登場する電線には太いやつ(2.0mm)と細いやつ(1.6mm)がある。工具で被覆を剥く時には太さに対応する刃を選ばなければならないが、1本ずつ確認して正しい刃を選ぶ作業は時間は食うし急ぐと間違えがち。しかし、気づけば無意識に左手の感触で太さを判別し、同時に右手が対応する刃を自然にあてがう様になっていたのである。こうなると流れるように作業が進む。人間スゲー。

一部のお題は重複で16作を制作し、安定して25分前後で作業完了できるようになった。「余裕を持って対処できる」との感触を得て本番に臨んだが、良い歳してガチガチに緊張しペースを乱す。ノーミスのプレッシャーは結構なものだ。「おい!まだ余裕だぞ!」と言い聞かせつつ、35分で作業完了。手に汗をかいた。残り5分の確認で手直しはゼロ。自己判定はノーミスながら、合格通知が出るまで確証が持てずに落ち着かないのが筆記試験と違うところだ。

かかった費用

この試験を受けて免状を手に入れるには地味にお金がかかる。とはいえ「一式10万円ナリ」の電気工事を自分で施工すれば一瞬で元が取れる。個人的には、自らの試験対応能力の残存を確認し、技能試験で日常にはない緊張を味わったところで「既に十分元が取れた」と感じている。

受験費 9,300円
書籍 5,000円位
工具 15,000円位
電材 15,000円位
収入証紙 5,300円
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合計 49,600円位






*1:現代の「基本情報技術者試験」に相当する。